また初めて見る思念体だ

また初めて見る思念体だ
「…なんだ、おまえ?
変わった悪魔だな、少し聞いていいか?
自分の心の赴くままに他人を殺す、
これっていけない事だと思うか?」
→はい
「そうかいそうかい、まるで
人間みたいな答えだな。
けど覚えときな。
人間のほうが、案外悪魔より
残酷なのかもしれんぜ…くくくっ…
俺は、自分自身が受けた痛みを、
常に他者に発して生きてきた…
それを悪いと感じた事もないし、
後悔もしていない。
だが…な、あの娘に出会った時、
つい言っちまった。
ホントはみんな、優しいんだ、
……ってな。
なんであんな事を言ったんだか。
もしかしたら、ホントは俺も、
人の温もりや優しさに
憧れてたのかもしれん…
もし、もし人生やり直せるのなら、
俺は…誰からも好かれる人間として
生きてみたかった…
チッ…何言ってんだか、俺は。
悩み惑うなんて、ガラじゃねぇぜ。
おまえ、不思議な悪魔だな。
なんでこんな事語ってるんだろう、俺は。
もしかして、おまえなら俺の迷う心を
導いてくれるのか?」
→はい
>おおかみは
後生の土鈴を使った。
>清らかな音が響き渡る……
「…これで……ここともお別れだ……
……何かが……見える……
…そうか……俺の……偽物の魂は……
…悪魔の集う館に……流れ行くか……
……………」
>目の前の思念体は消えていった……



だから娘って誰なんだぜ

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