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　彼からメールや手紙、電話などの全てが途絶えたのは一体いつからだっただろうか。彼と連絡を始めてから一度たりとも機種変していない携帯の過去メモリーを淡々とスクロールしていく。
（2010年1月31日……ちがう、3月5日）
　最後のメール。


(non title)

俺、全部守りきれたみたい。
こうやって、改めて街見てたらほんと幸せになる。
あ、今日先輩の卒業式だからそろそろ行かないと。
お前も卒業おめでとうな。式確か明々後日だよなー、早いなぁ。当日は祝えそうにないから、ちょっと早いけどお祝い。
じゃあな。
返信不要

　　　　　-END-


　とてもたわいのない文章だった。どうしてこんな所で途絶えたのか、今でも判らないままだ。
　このメールの送り主は、中学生時代の先輩だ。元々同じ学校に通っていたのだが、先輩が高校に進学して、一年経ったあたりに転校してしまった。メールが途絶えたのもまた、先輩が転校して一年経ったくらいだった。
（どうして……先輩）
　携帯を握りしめ、電車を待っていた。先輩と撮った数少ない写真。データフォルダから消すことさえ考えなかった。思い出に浸りながら写真を眺めていると、唐突に声を掛けられた。
「その写真、アイツの」
　いきなりの出来事に、びくっと肩が跳ねた。あちらも無意識に口を開いてしまったらしく、目を丸くしている。
「この人と知り合いですか？」
「し、知り合いっつうかホラ？　大親友っつうの？」
　その言葉に自分のなかのなにかが解けた気がした。この人なら先輩についてよく知っているかもしれない。メールが途絶えた原因も判るかもしれない。
「……あの」
　同じ電車に乗るようだったので、話を聞かせて貰うために横の席に座ろうと誘った。案外彼はすんなりと請けてくれた。

　一通り自己紹介を済ませ、本題に入る。
「俺にとってこの人は中学生時代の先輩でした。先輩が転校してからも、メールとか、やりとりしてたんですけど……二年前くらいかな、」
「連絡が途絶えた？」
「え……あ、はい」
　なんで、と言いかけてやめた。こんな風に返してくるということは、少なくとも彼は知っているのだろう。メールが途絶えた理由を。
「はっきり言っちまうと……アイツ、もう居ないんだよ」
「巖戸台に、ですか？」
　でもそれは、メールが途絶える意味にはならない。頭の中で最悪のルートがどうにもたやすく想像できてしまう。
「この世に」
　ぞくり、と悪寒がした。
「どうして……死んだんですか。どうして死ななきゃならなかったんですか」
　表向きは落ち着いた声で聞き返したが、彼は言葉を濁していた。
「アイツ、自分の命と引き換えにさ。全部守ってったんだ」
　それ、
「メールの文面と同じ……」
　先輩が死んだというのは、どうやら本当らしい。心の中にどろどろと絶望が流れ込む。
「ホント、ずりーよなぁ……いいトコ全部持ってって、一人で世界救っちまうんだから」
　それは、俺に語りかけるというよりは独り言のようだった。視線はどこか空を映していて、目尻にはうっすらと涙が浮かんでいる。
「って、世界救ったなんてあまりにも現実味無さすぎっか」
「あの人は……なんでもしちゃいそうですから。現実味はないかもしれませんが、否定はしません。でも」
　先輩は、メールに返信不要と記していた。きっと、今日死ぬことが判っていたのだろう。判っていたはずなのに。――あえて「返信不要」とした。それが裏切られたような、置いて行かれたような気がして、心苦しくなった。
「あぁっと、俺ここで降りなきゃなんねーんだよな……またなんか聞きたいことあったら、巖戸台の元分寮に来てくれれば多分会えるから。じゃあな！」
　そう言って走って降りてしまった彼にお礼を告げ、ため息とともに少し下に体をずらした。
（先輩は、俺に何も言わなかったんだ）
　今までの疑問は解けたというのに、全く納得できない。すっきりしない。話で聞いただけでは涙さえ流すこともできない。どうしてメールで何も言わなかったのだろう。先輩にとって俺は、どうでもいいものだったのか。

　死んでほしくなかった。
　せめて一言ほしかった。





『次は八十稲羽、八十稲羽……』



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うちのP4主がP3主を嫌ってる理由。
きっと4主は、3主は全員死んじゃう＋何も言わず無茶するって思ってるんです。
加えて皆容姿が似てるから、先輩を思い出して耐えられなくなるんです。
トラウマを克服できない結果がこれだよ！！
3主のまえだけやたら刺々しい性格になるのもそのせいです。
でも、先輩（立花）とはまた非現実的なところで会う＋未だに先輩だけは大切なので、刺々しいどころか必死に彼の元へ行こうとしてそう。

あ、続編（？）で4主が巖戸台分寮に言って課外活動部の女性陣に会って風花がペルソナ使いなかんじを察知するの書きたい。ただのメモ。