(untitled)

 俺達の恋は仕組まれたものだった。
 けれど、俺にとっては一生で一番の恋だった。

 何故か、なかなか近場の中学校から転校してきた沙樹。一目見たときから、気になってはいた。
 気になった女子は手当たり次第に口説く。それが俺のやり方だ。
「三ヶ島さんだよね? どう、俺と付き合ってくれない?」
 いつもの調子で、胡散臭く口説く。あまり捕まった例はないが、声を掛けることが目的なのだから、いい。
 どうせまた、女子を恥じらわせ困惑させるだけだろう……と思っていた。
 しかし。
「うん、いいよ」
「えっ」
 ぴた、と俺の動きが止まる。
 信じられない言葉が聞こえた。
「付き合おう?」
 にこっ、と微笑む沙樹の顔は、とても魅力的に見えた。
 そうして、俺達は付き合い始めた。

 沙樹は、今まで付き合った誰とも違い、穏やかであり、どこか淡泊であった。
 また、何か言葉では言い表すことのできない安心感が




ここで寝た

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